【映画】レボリューショナリーロードの不安
皆さんこんにちは、ばむよです。今日は独断と偏見に満ちた映画紹介やりたいと思います。紹介というか感想でしょうか。そんなにひどいネタバレはないと思いますが、人によって許容範囲がちがうのでなんとも言えませんな・・・
取り上げるのは、先日ツタヤで借りてきた映画『レボリューショナリーロード』。『タイタニック』のあの二人が夢の共演という、例のやつです。ネットで調べると「自己実現の夢と家族の愛の間で揺れ動く、切なく深いドラマ」という解説が出てきました。そう言われてみればたしかにそうなのですが・・・
・・・とっても怖い映画でした。
別にジャンルはホラーというわけではなく、ドラマ、さらに言うとたぶんラブストーリー(ごめんなさい、ジャンルに関してはあまりよくわからない)
何が怖いのか?
どこから語ればいいのか分かりませんがまずBGM。これは聴いていただければわかるのですが、静かで穏やかな、しかし得体の知れない不安感を煽るようなメロディ。
安心する音楽というのは何かしらの文脈がはっきりしている、要するに物語性や世界観がわかりやすく構築されているように思うのですが、この映画のBGMはそうではない。むしろ「日常」を、それはそれは静かに、忍び寄るように破壊していく。捉えどころのない、雲をつかむような不安。疑心暗鬼。
あるいは、答えのない、整合性のない人生の曖昧さを表現したものかもしれない。
書いていて気が付いたのですがこれはBGMに限った話ではありません。物語も、人々の日常を描きながら、その心の奥にひそむ不安を時折のぞかせつつ、進んでいきます。
この映画のテーマの一つに、「世界の揺らぎ」があることは間違いないと思います。例えばこの物語にはひとりの精神病患者が出てくるのですが、主人公のフランクとエイプリルの「自己実現の夢」を本当に理解してくれるのはこの人のみだったりします。正常と異常、日常と非日常、現実と夢のまにまに引き裂かれる、その不安感。居所のなさ。照らし返される「常識」の異常さ・・・
筆者にとってはそんな不安に満ちた映画でありました。(実際からだが締め付けられるように怖かったです)
登場人物についても少し。
まず妻のエイプリルに関して注目すべきは、その「理想の高さ」だと思います。端的に言えば、理想って人生の落とし穴だなと思いました。理想を追求するあまり現在を否定した先に待つ未来は・・・はい。まあこれは定番の文言ですよね。ハードルを高いところに持ってくると現実はマイナスばかりになるし、低いところに持ってくれば現実はプラスのいいことだらけになる。
要するに、幸せを壊すのは簡単っていう話です。うう。怖い。(逆もまたしかり?)
一方夫のフランクの方は、何でしょう。とにかく自信がないイメージ。「俺のせいじゃない」という訴えが心に残ります。見ているとつい励ましたくなります。・・・と、神の視点だからそんな呑気なことを言ってられますが、結局、二人ともズッシリと重いものを背負っていて、それで余裕がない。
重いものって何でしょう。家庭、子供、それとも自分自身?
今の筆者にはまだよくわかりません。でも、何年かあとにもう一度観たい映画であることは確かです。
最後に、全然内容と関係ないけれど、フランクの日本語吹き替え版が浪川大輔さんなのが個人的にはGOOD。叫びまくっているので浪川さんの個性が光ってます。正直テンション上がります!まさに俺得。お好きな方はぜひ吹き替えで観ることをお勧めします。
以上、簡素ながら映画紹介(感想)でした。
今日はこのへんで。ではまた!